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トイレットペーパーやティッシュペーパーは、一般的な紙と比べて非常にやわらかくふんわりとした肌ざわりですよね。
では、これらはどのようにしてやわらかくしているのでしょうか。
今回は、トイレットペーパーのさまざまな加工の仕組みについてご紹介していきます。

トイレットペーパーの加工の仕組みとは

トイレットペーパーやティシュペーパーは、新聞紙やコピー用紙などの紙と比較しても非常にやわらかく、ふんわりとした肌ざわりです。
実は、これらはパルプ原料や紙の厚さの違いなどもありますが、紙の製造過程において「クレープ」や「エンボス」という加工を施していることが大きな理由なんです。

トイレットペーパーのクレープ加工とは

クレープ加工とは、紙の表面に細かいシワを施すことです。トイレットペーパーやティシュペーパーにクレープ加工を施すことによって、肌ざわりのやわらかさに加え、水分や汚れが拭き取りやすくなるというメリットがあります。トイレットペーパーやティッシュペーパーを良く見てみるとお気づきになられるかも知れませんね。
トイレットペーパーにおけるクレープ(crepe)は、紙の製造工程の中で、抄(す)いた紙を乾かすドライヤーから、トイレットペーパーに加工する前段階の巨大なロールであるジャンボロールに巻き取る工程で、紙を送り出すスピードと巻き取るスピードに差をつけることでつくられます。
ひと昔前には、トイレットペーパーの代わりに新聞紙を揉んでやわらかくして拭いていたという話もありますが、その「揉む」と同様の作業を機械で行っているというわけです。

トイレットペーパーのエンボス加工とは

エンボス加工
また、トイレットペーパーやキッチンタオルには紙の表面に凸凹があるものが多いですよね。これを「エンボス」と言います。
エンボス(emboss)加工は、型押しや柄を浮き上がらせるという意味を持ちます。もともとは皮革や布地に専用の機械を使って、凸凹の模様を彫った押し型のロールや平板を加熱して、圧力をかけながら浮き出し(エンボス)模様を作る加工法です。
紙の場合は、紙の表面に鉄のロールなどで凸凹をつけることによってつくります。エンボス加工を施すことにより紙にボリュームを出し、クッション性を高め、やわらかい肌ざわりの紙をつくることができるのです。また、紙の凸凹に水分を蓄えることができるため、吸水性もアップします。

まとめ

トイレットペーパーの加工の仕組みがお分かり頂けましたでしょうか。
ご家庭にあるトイレットペーパーに、クレープ加工やエンボス加工が施されているかどうか、見てみると面白いかも知れませんね。